例年と違う2020年の清明節

清明節(4月5日前後)は中国の二十四節気の一つであり、昔から先祖や先人、国のために犠牲になった烈士たちを偲ぶ中国の伝統的な祭日でもあります。毎年、清明節になると、お墓参りする人々は各地の墓地へ訪れます。特に2007年に清明節は国の祝日として定められ、2008年から清明節前後、三連休で遠くへ帰省してお墓参りする人々が大勢います。

北京の4月は、木々が新緑を出し、花が咲き乱れる春爛漫の一番きれいな時期です。しかし、中国では新型コロナウイルスの感染による多くの犠牲者が出ました。新型コロナウイルス感染症と戦う中で犠牲となった方々に対する深い哀悼の意を表すため、2020年の清明節の4月4日に、中国は初めて重大な突発公共衛生事件として全国的な追悼活動を行いました。午前10時、国のリーダーたちをはじめ、全国各地の人々も3分間の黙とうを捧げました。その時、家でテレビの生放送を見ていた私は、外からバスや車のクラクションが一斉に鳴る音を聞いて複雑な気持ちで胸がいっぱいでした。この日に、すべてのテレビ放送局は娯楽番組の放送を中止しました。

また、新型コロナウイルスの感染リスクを避けるため、今年の清明節は各地方では相変わらず厳しい出入り制限政策が実施されています。清明節期間中、北京を一旦出れば、たとえ国内の移動でも戻ってから14日間家で隔離観察をしなければなりません。従って、直接墓地へ足を運ぶことができない方々にオンライン墓参りや墓地のスタッフが代行して墓参りするという選択肢も生まれました。このようなやり方で先人に誠意を届けるかどうか、疑問の声もありますが、早く正常の生活に戻ることにつながると思うと、外出自粛に文句は言えません。

新型コロナウイルスとの戦いに勝ち、普通の日常生活に戻る日を待ち望んでいます。(鞠)