中国のモバイル決済についての一言

中国の日常生活で広く利用されているモバイル決済は、携帯電話決済とも呼ばれ、利用者が携帯端末(通常はスマホ)を使って、消費した商品やサービスの代金を支払うサービスです。中でもウィチャットペイ(WeChat Pay 中国語で「微信支付」)(※WeChatは日本で言うLINE)とアリペイ(Alipay 中国語で「支付宝」)は、最も利用頻度が高く、普及率の高いプラットフォームです。 WeChatの月間アクティブアカウント数は12.6億、アリペイのアクティブユーザー数は10億を超え、全世界で約12億人のユーザーが利用しています。

モバイル決済は通常、リモート決済とQRコード決済に分けられます。リモート決済は、日本より充実しており、インターネットバンキング、スマホでのインターネットショッピング、SNSによる送金による支払いを指します。QRコード決済は、日本と同様に消費した金額を入力するか、QRコードをスキャンして決済します。現金や銀行カードを持ち歩く必要がなく、操作が簡単ですごく便利です。 決済コードはランダムに生成されるダイナミックQRコードで、通常はスクリーンショットできないように設定されており、利用者の金銭の安全を守っています。 QRコード技術は当初、携帯電話による決済のために発明されたのではなく、日本人により商品情報の追跡や識別などのために発明されましたが、中国人の徐偉がQRコード決済を発明して以来、この技術革新は中国におけるQRコード決済の急成長と普及につながりました。

QRコード決済は2010年10月にアリペイによって初めて導入されたことにより、電子商取引企業のオンライン(ネット)からオフライン(店舗利用)へ利用領域を拡大することに繋がりました。 一方、WeChat Payは2013年8月にWeChat間での決済機能を正式に開始しました。アリペイとWeChat Payは、QRコード決済を推進する上で、加盟店に対して手数料率ゼロ、QRコード及び決済端末の無償提供のほかサポート体制を充実させました。消費者に対しては、一定割合を還元、もしくは割引などのキャンペーンを実施するほか、SNSを通じて利便性と安全性をアピールするなど、さまざまな戦略を採用してきました。これにより、中国ではモバイル決済が広く適用され、普及し、人々の日常生活に欠かせない決済手段のひとつとなりました。WeChat Payとアリペイは、決済シーンとユーザーニーズが異なり、 アリペイは金融商品サービスが豊富であり、WeChat Payは強力な連絡ツール手段が強みです。今年、WeChat Payとアリペイは外国人にも使えるように改善しました。(ハン)