端午節の特別な食べ物、について知ってみよう!

端午節(端午の節句、今年は6月10日)を控え、中国各地では香袋作りや粽作り、ヨモギ飾り、ドラゴンボートレース等伝統的なイベントが行われています。

ご存知のように、粽を食べることは端午節の重要な習慣です。粽は春秋時代(紀元前770—紀元前476年)に登場したと言われ、当初は祖先や神に祭る供え物として使われていました。また、粽の起源は戦国時代(紀元前476年—紀元前221年)で、もともとは川に身を投げて死んだ楚の国の愛国詩人、屈原(くつげん)に捧げるためのものだったという説もあります。

粽は古くは「角黍」、「筒粽」とも呼ばれました。北方では、まこもの葉で黍(きび)を包んで粽を作るので、「角黍」と呼ばれ、南方では、竹筒に黍を詰めるので、「筒粽」と呼ばれます。

粽は唐の時代(618年-907年)まで黍で作られていましたが、その後、もち米が主な原材料になり、現在、中国各地の粽は主にもち米で作られています。 ただし、黄色いもち黍で粽を作る山東省周辺は例外です。「山東省をはじめとする黄河中流域と下流域では、稲の栽培に適する水田がほとんどなく、栽培される作物の中、粘着性のあるもち黍が粽を作ることにふさわしいので、黄色いもち黍粽が現れました」と山東省民間伝承協会の専門家である李浩氏は、もち黍粽の起源をこのように説明しました。

また、粽を包む葉っぱも時代と地域によって異なります。一般的に、多くの葉緑素や独特な香りがあり、さらに丈夫で粽を保存しやすいように抗菌効果を持つ葉っぱが使われます。粽を蒸している或いは煮込んでいるうちに、葉っぱの香りが粽の内側まで浸透し、特別な風味を与え、さらに美味しくなります。上記の 「筒粽 」に使う竹筒の生産が難しくなるのに伴い、魏晋時代(220年—420年)の末期には「筒粽 」の姿が消えました。一方、粽の葉っぱはまこもの葉から次第に笹の葉、葦の葉などに代わりました。現在、粽の葉っぱはほとんど笹と葦の葉で、そのうち南は笹の葉、北は主に葦の葉です。また、地元にある葉っぱを使い、特色のある粽を作るところもあります。例えば、山東省周辺は柏の葉、海南島はバナナの葉を使います。

粽の葉っぱの違いだけでなく、具、形や味のバリエーションもますます豊富になり、地域なりの特徴があります。現在、中国の粽は南方では塩辛いものが主流で、北方では甘いものが多いです。一番有名なのは浙江省の嘉興の肉粽です。特に新鮮な豚肉ともち米で作った肉粽は脂肪が多いが、油っぽくなく、塩味と甘味がほどよく、もちもちしていて美味しく、浙江省嘉興市の名物として大人気で、「粽の王」と呼ばれています。広東省の粽は塩漬け卵黄、キノコ、塩漬けや醤油漬け豚肉などを具にしますが、アワビのような高級なものもあります。北京の粽はよく棗(なつめ)やあんこを具にしますが、果物の砂糖漬けを具にするものもあります。四川省の粽は唐辛子の粉が入り、辛い物が大好物とする四川人の口に合う独特の味です。宋の時代の文人蘇軾(そしょく)は「粽の中にヤマモモをみつける」と詠んでおり、粽の具の豊富さが窺えます。

長い年月を経て、粽は中国の端午節を代表する食べ物になったと同時に、保存技術の進歩によって半年ほど保存できる真空パックの粽も出てきて、一年中何処でも食べられるようになりました。一方で端午節に際して、家で家族の好みに合わせて粽を手作りすることも特別な過ごし方です。(キク)