ロボット、ロボット、ロボット!  ロボットが当たり前になる社会はすぐそこ!?

大家好!(ダージャーハオ!皆様こんにちは!)

今号の「西園寺一晃先生の中国レポート」では、「人間型ロボット(優必選科技(UBテック)のヒューマノイド)」が中国経済における急速な進歩の一例として取り上げられていますが、こちら中国では頻繁に「ロボット」関連の記事を目にします。

今の中国、実は空前の「ロボットブーム」に沸いていると言ってもよいかもしれません。「SF映画の話でしょ?」なんて思っていたら大間違い。中国市場では今、ロボットが研究室を飛び出し、工場や街中、さらには家庭にまで一気に浸透し始めているんです。

前述の「UBテック」のヒューマノイド、そのお値段、99万元(約2,400万円)にまず驚きましたが、本当にたまげたのは発売時点で13,000台以上の受注を突破したというものでした。

また、世界シェアトップを争う「宇樹科技(Unitree)」は、2026年の出荷目標を最大2万台に掲げ、北京の超一等地・王府井に初の直営店をオープンさせるなど、一般消費者へのアピールを強めています。このお店は私も実際に足を運んでみました。ショッピングセンターの1階にあり、私のような一般客でも気軽に入店できます。

残念ながら、ヒューマノイドは展示と動画再生のみでしたが、四足歩行ロボットは、ジャンプしたり逆立ちをしてみてくれたり、動き回っていました。お客のいる方に寄ってきて動きを見せてくれるので、おそらくどこから見られているのか認知しているのだと思いました。

こうした熱狂を支えているのが、「フィジカルAI(具身智能)」という考え方です。これはAIが自律的にロボットの体を動かし、判断・行動する技術のことで、中国では「今後10年の戦略的チャンス」と捉えられています。自動車メーカーの「小鵬汽車(Xpeng)」などは、2026年末に高度なヒト型ロボットの量産を計画しており、自社の店舗での試験運用も予定しています。すでに「小米(シャオミ)」の自社工場では、ヒト型ロボットが生産ラインで「実習」を開始しており、ボルトの取り付けなどで「作業精度約90%」を叩き出しているとのことです。

物流の世界も激変しています。通販大手の「京東(JD.com)」は、約2,200億円を投じて無錫市に巨大なロボット生産拠点を建設中で、今後5年間で「300万台もの物流ロボットを導入する計画と報じられていました。同社は「ロボット救急車」という出張型のロボット修理サービスまで開始しており、業界有数のサービス網を構築しようとしています。

実はこの波、日本企業も深く関わっています。「日立製作所」の中国法人は自社の生産現場にUBテックとヒト型ロボットの実用化に向けた協力を発表しました。さらに「三菱電機」の中国統括会社は、深センのロボット開発スタートアップに出資し、工場の無人化に向けた実証実験などの取り組みに乗り出しています。

中国は政府の強力なバックアップと圧倒的なスピード感で、ロボットが当たり前に働く社会を現実のものにしようとしています。深セン市のロボット産業生産額は、2025年に「過去最高の約5.7兆円」に達したとの報道もありました。ロボット関連の記事を目にしない日は当分なさそうです。(生浦)