黒龍江省の東南部に位置しロシアと国境を接する都市 綏芬河で第一回の国際貿易博覧会が8月8日から5日間、市内の綏芬河世茂国際商展センターで開かれました。環日本海経済研究所(ERINA)から案内をいただき、私たちも参加することにしました。
綏芬河は省都ハルビンの東、牡丹江からさらに東へ156km、車で約2時間の距離です。人口は約16万人、中国では小さな都市ですが、ロシアとの木材を中心とした国際貿易とロシアとの観光で知られています。今年6月のハルビン国際経済貿易商談会では、期間中綏芬河市交易団の対外貿易契約額がハルビン市交易団の約2倍に相当する28.4億米ドルに達し、商談会全体の24%を占め、その地理的優位性を発揮しました。また、多い時は一日に4、000人から5、000人のロシア人観光客が綏芬河を訪れ、買い物や食事を楽しむとのことです。
そこで開かれた最初の貿易博覧会に県内企業3社が理容バサミ、記念レリーフなどを展示、同じブースで私たちも新潟市の紹介をしました。会場の1階は大勢の来場者で賑わい、その規模で目立っていたのは山東省や河北省、台湾などからの企業でした。台湾から出展した烏龍茶を生産・販売する企業の方の話を聞くと、出展目的はロシアへの販路拡大を図ることで、商談もいくつかできたとのことです。
第一回ということもありその運営には課題もあったと思いますが、ロシアに隣接するという地の利を活かした商談会。100年の長きにわたる国境交易の優勢に依り、ロシアや北東アジアの国々との経済貿易をより盛んにすることが博覧会の出発点。中国黒龍江省の辺境が対ロシアでは最前線、物流や通関等様々な諸手続きがさらに改善されていくと綏芬河の優位性はもっと高まる可能性を秘めていると思いました。(近藤)