5月18日は国際博物館デーでした。各地で多くの博物館が多彩なイベントを開催し、大勢の市民や観光客を引き寄せました。
近年、博物館は静かな展示施設から、都市観光を牽引する新たなランドマークへと変貌を遂げています。この現象の背景には、人々の文化消費への欲求と体験型観光への志向の高まりがあります。従来の「見る」だけの博物館から、「参加し、体験し、撮影し、共有する」ための空間へと進化したのです。
現代の博物館は、最先端のテクノロジーを駆使した没入型展示が特徴です。各地の博物館は積極的にイノベーションを重ね、訪れる観光客の多様なニーズに合う新しい展示方法や体験形式を模索し続けています。多くの博物館では、デジタル化された文化財、ロボットによる解説、没入型展示、シナリオを伴うツアー、DIY文化クリエイティブグッズ、コスプレといった新しい体験を提供しており、かつては静的に鑑賞するしかなかった文化財が生き生きとよみがえり、観光客が文化財の背後にある歴史物語を深く理解するのに役立っています。
また、ショートムービーやライブ配信、コンテンツ共有などのソーシャルメディアを活用した情報拡散が、博物館の集客に新たな道を開いています。ユニークな文化財、面白い文化クリエイティブ商品、あるいはバズったユーザー投稿の一つが、博物館の人気を引き起こす「トレンドの鍵」となる可能性があります。
さらに、博物館はその建築自体がアートとしての価値があり、「建築としての博物館」も、都市の観光資源として重要な役割を果たしています。
このように、ネットで人気となる博物館や文化財が次々と現れ、文化施設のランドマーク効果が際立ち、都市観光の新たな名所となっています。「一つの博物館のために一つの街を訪れる」人がますます増えています。90%以上の博物館は入館料が無料で、全年齢層の観光客に愛されており、若者に人気の「チェックインスポット」だけでなく、家族連れの教育と娯楽を兼ねた選択肢にもなっています。
報道によると、今、北京を訪れる観光客は、団体旅行でも個人旅行でも、国家博物館は必ず訪れるスポットで、休館日以外はほぼ毎日大混雑しています。また、同博物館のオリジナル文化クリエイティブグッズである鳳凰の形の冠(明の時代の孝端顕皇后の鳳凰の形の冠は、現在、同博物館に収蔵され、中国大陸部外への持ち出しが禁止される国宝級文化財となっている)をモチーフにデザインしたマグネットは去年の秋に発売されてから、今年の3月25日に、販売数が累計で100万個の大台を超えたとのことです。
博物館ブームは人々の文化への関心の高まりを反映しています。これからの博物館は、文化財の保存と研究だけでなく、都市のアイデンティティを形作り、観光客に深い文化的体験を提供する場として、さらに進化していくに違いないでしょう。(キク)