2013-11-14 「双秀公園」を訪ねて ~新潟と北京の縁~

 11月上旬の朝から晴れ上がった週末,北京市西城区北太平庄にある「双秀公園」に行きました。2012年暮れにできた地下鉄8号線の「安華橋」駅を降り,北三環路に沿って西に歩いて行くと左手に公園の北門が見えてきます。
北京に日本庭園があることを皆さんはご存知でしたか。それも新潟県の人と縁があることを。
「双秀公園」の面積は6.39ヘクタール,北京市が建国35周年を記念して建設した10の公園の一つだそうです。1984年に開園したこの公園は,清雅俊秀に特色を持つ中国式庭園「薈芳園」と山 秀水清と言われる日本式庭園「翠石園」の二つからなり,このことから「双秀」と命名されました。「翠石園」は市内唯一の日本庭園とのことです。建設に協力したのは糸魚川市の建設会社社長 故谷村繁雄氏です。残留孤児の養父母に感謝の気持ちを表したいと日本庭園寄贈を申し出て,庭石や木材を日本から運びました。
 公園の北東に位置する「翠石園」は1.26ヘクタールの大きさです。木で作られた入口の門,その左脇に翠石園と書かれた大きな石が置かれてありました。池泉回遊式の庭園で,池の中には亀島と鶴島が配置されています。今は池の水が抜かれていますが,春にはまた水がはられ亀の形もよく現れることでしょう。(写真 右)
 入園料金は2角(約3円)。園内にはすでに多くの市民がいました。家族で散策する人たち,トランプで遊ぶ人たち,体操やダンスを楽しむ人たち,皆それぞれ週末のひと時を思い思いに過ごしていました。「双秀公園」がこの地域の皆さんの憩いの場となっていることが感じられました。
建設されて来年30周年を迎えます。一方,谷村建設は新潟市内に日本式庭園と中国式庭園からなる「天寿園」を1988年に建設しました。この時は,北京市園林局がその建設に協力,40人を超える造園関係者を三か月間にわたり派遣しました。その後,一度閉園しましたが,1995年に新潟市が取得し,「新潟市天寿園」として開園しました。
故谷村氏の想いが結ぶ北京の日本庭園と新潟の中国庭園。この二つの公園も“双秀”の如く,それぞれの都市で今後も市民に親しまれ安らぎを与える美しい公園であって欲しいと思いました。(近藤)

翠石園内の風景

翠石園内の風景

青空のもと多くの人たちが訪れていました

青空のもと多くの人たちが訪れていました