北京は11月23日、急激な冷え込みに襲われ、最高気温は零度ほどまでしか上がりませんでした。街中に緑化樹として多く植えられるプラタナス、ポプラ、アカシア、銀杏の木等に代表される落葉樹は強い北西の風で一夜にして葉が枯れ落ちてしまい、灰色の幹と枝だけが寂しそうに佇んでいます。
でも、冬に屋外で緑を眺めたい方もいるでしょう。実は北京地下鉄7号線の萬盛西駅D口を出て、北西方向を見ると、一面の麦畑が見えます。
この畑は近くの大稿村が所有しているようで、麦畑の作付け面積はもともと約50ヘクタール余りありましたが、都市計画により2020年に10ヘクタール余りの土地が公園建設用地になり、残りの約40ヘクタールは数十年前のまま小麦、トウモロコシ或いは大豆が植えられています。面白いことに、村の委員会は収穫された小麦を市場で販売せず、小麦粉に加工した後、村の人々に毎年一人当たり2回に分けて計50キロを配給するということです。
小麦は冬小麦と春小麦の2種類に分けられますが、この辺の小麦は10月に種まきされ翌年6月頃収穫される越冬小麦です。一面に広がる緑の絨毯のような小麦畑は、コンクリートの建物が林立する大都市において冬には他で見ることができない珍しい風景です。
また、小麦が収穫された後、この畑には10月に収穫されるトウモロコシや大豆を種まきされ、本当に一年中緑に覆われます。ここはすでに近くの市民が散策したり、子供たちが自然に親しんだりする人気スポットになっています。(キク)