「中国の安定成長は本物だ」

米中貿易戦争がエスカレートする中で、今世界の枠組みが大きく変わりつつある。米中の対立が特に激しいため二国間の関係と見られがちだが、米国VS国際社会という構図となっている。そんな中、これまで「世界の工場」と言われてきた中国は、「中国製造2025」という長期成長戦略計画を発表し、単なる下請け工場から質の高い製造強国へと大転換を図ろうとしている。

GDP世界第2位を誇る中国経済ではあるが、驕りは微塵も見られない。先日、新華社通信の取材に対し「技術、製造業の発展の度合いにおいて、米国と中国の間には未だに約30年の開きがある。」と工業情報相が現実的見解を語っていた。‘米国に追いつけ追い越せ’という目標は持ちつつも、かつての「大躍進政策」とは異なり、冷静かつ客観的視野をもっているところが、現在もなお安定成長を続ける中国の強さの一つでもあるように思う。

世界各国を巻き込んだ貿易戦争の中で、米国が主張する保護貿易と対抗する「自由貿易の旗手」となっているのが中国。国際社会において着実にそのプレゼンスを高めている。(池田)