新型コロナの影響によるゴールデンウィークの国内旅行事情

5月5日に、文化観光部は、ゴールデンウィーク中の中国の国内観光客は1.15億人で、475.6億元の国内観光収入を達成したというデータを発表した。今年のゴールデンウィークは、新型コロナウイルスの感染拡大の予防が正常化された後、中国で初めての連休である。観光消費を拡大すると同時に、いかに安全性を確保し、観光客が楽しく安全な休日を過ごせるようにするかが最も重要である。このゴールデンウィークは観光産業の一刻も早い回復に寄与する一方、新型コロナウイルスの感染拡大の予防にもプレッシャーがかかった。

ゴールデンウィーク期間中の傾向として、低リスク地域へのツアーの予約が着実に回復し、ドライブツアー、レンタカーツアー、キャンピングカーツアー、少人数カスタムツアーなどが人気急上昇となった。また、目的地の選択では、自然観光がメインとなり、山登りや農家ツアー、歴史的なモニュメント、野生動物園などは人気の選択肢となっている。

その中で特に注目されるのはドライブツアーである。他の交通手段より自由で、プライベート性が高く、安全性も確保でき、新型コロナ後の新しい遊び方となった。北京、天津、河北の健康コードの相互承認は、消費者の観光モチベーションを更に高めたようだ。MAFENGWO(马蜂窝、中国大手の旅行予約プラットフォーム)のデータによると、政策が発表されて以来、「河北省ドライブツアー」の検索熱が先週と比べ166%増で、「北京周辺ドライブツアー」の検索熱が87%も上昇していたという。

現在、中国ではすでに千箇所以上の観光地が再オープンしている。文化観光部、国家衛生委員会の通知によると、観光スポットで受け入れられる観光者数は、承認された最大キャパの30%を超えないことが原則だ。そのため、例年とは異なり、「予約旅行」が新たなトレンドとなっている。国内の主要観光地では、客が過度に集中することを避けるため、基本的に「事前予約制」を導入している。

一連の制限の上で、再開された観光地の環境は整備され、サービスも改善されている。新型コロナの流行は旅のペースを遅くしているが、以前見過ごされていた美しさを再発見できるようになった。人が少ない、移動がゆっくり、旅がゆったり、快適になる質の良い連休となったのかもしれない。アウトバウンドや遠での国内ツアーから、身近なローカルツアーや周辺ツアーへと変わり、旅の体験を充実させる。

これらの新しい遊び方は、現在の観光市場におけるイノベーションでもあり、コロナ感染拡大の予防にも適応しており、おそらくまさに中国観光市場の将来を表していると言えるだろう。

新型コロナの影響で、今年のゴールデンウィークは旅行業界にとって、革新が期待される試練の年となった。こういう状況の中で、新しい境地を切り開くには、消費者が来ることをただ待つのではなく、消費者にどのような形でよりよいサービスを提供すべきかを考えることがより重要となる。(石)

5月末、天津観光時にホテルから撮影

5月末、天津観光時にホテルから撮影