伝統的な北京軽食と言えば、なかなか店名を記憶されず、美味しいとは言えないという評判があります。しかし、前門大通りに「都一処シューマイ」という店があって、あそこのシューマイがすごく有名です。店も中国の商務部に「中華の老舗」と認定され、シューマイの作り方も国家無形文化遺産リストに登録されました。
メニューを見たら、色々な餡のシューマイがあります。海鮮の餡から豚肉、羊肉、それから牛肉の餡まで、海鮮の餡はまた三種類に分けて、豚肉の餡もまた四種類に分けられています。どちらを食べるか、なかなか選べません。一蒸籠に8箇があって、どれも大きくて、中の餡もよく詰まっていて、新鮮で脂身があるわりには、油っこい感じはしない、黒酢を少し掛け、とても美味しかったです。
なぜこの店が有名なのかといえば、紫禁城を出て遊ぶことが大好きで有名だった乾隆帝(1711ー1799年)にまつわるエピソードもあるからのようです。噂によると、「ある日、乾隆帝はまたこっそり紫禁城を出て、宮殿に戻ったところ、前門大通りを通ったら、街のすべての店が閉まっていて、一軒だけまだ提灯をつけて営業していた。乾隆帝は店に入ってご飯を食べた。料理がとてもおいしいと感じ、喜んだ。店主を呼んで、この店がまだ名前がないと聞いたら乾隆帝は『このときに開店しているのはあなたの店だけだ、【都一処】という名前にしよう』と店名を賜った。それから【都一処】がよく知られて、名士や官吏、要人たちも食べに行って、店の商売は日増しに繁盛している、約300年後の今日に至るまでだ。」
今度前門大通りに行ったら、お店に入って乾隆帝が絶賛した「都一処シューマイ」を食べてみてはいかがでしょうか。(ケイ)