2013-10-25 第15回江蘇農業国際協力商談会を視察

9月27日から29日の3日間,江蘇省塩城市で「第15回江蘇農業国際協力商談会」が開催され,視察に訪れた。本商談会には1200もの農業関連企業が参加し,12万人もの来場者があったとのこと。海外からの出展企業の多くは台湾企業で,食品・農産物ビジネスに関しては台湾が先行して積極的に中国市場を攻めている様子がうかがえた。食文化や商習慣が中国と似ていることも台湾企業が中国ビジネスにおいて優位に立てる要因だろう。特に現地の人の食に対する好みや習慣はなかなか外国人にはわかりにくく,マーケティングや開発には時間やコストがかかる。
日本の自治体からは鹿児島県の上海事務所が2ブース展開しており,鹿児島産の調味料や加工食品などを陳列し,来場者に熱心に説明していた。
新潟もコシヒカリや発酵食品,日本酒などブランド力のある食品・農産品が多々あるが,残念ながら現在,放射能の関係で新潟産の農産品・食品は一切中国に輸出することができない。多くの来場者で賑わう各ブースを見るにつけ,せっかくの新潟の強みをアピールできないことに歯がゆい思いがした。
商談会に合わせて,塩城市政府外事弁公室の取り計らいで塩城市を視察した。塩城市は江蘇省の中でも南京市に次ぐ第2の人口を有する都市だ。江蘇省というと,上海近くの無錫や蘇州が投資先としてこれまで注目されてきたが,塩城市は長江デルタ経済圏までわずか2時間という近距離であるにもかかわらず,人件費は先行して外資の投資が進んでいる蘇州や無錫に比べずっと安い。塩城市はこれまで交通インフラが未整備だったため,同じ江蘇省の無錫や蘇州に比べると海外からの投資が進んでいなかったとのこと。現在,空港,港湾,鉄道,高速道路等の各種交通インフラの整備が進み(一部進行中),都市としての利便性が格段に上がっており,発展の伸びしろがまだまだ十分にあるという感じがした。(笠原)

商談会会場:多くの来場者で賑わう

商談会会場:多くの来場者で賑わう

鹿児島県のブース鹿児島県のブース

現地生産のみりんと日本酒を 展示している企業も

現地生産のみりんと日本酒を 展示している企業も

塩城市斜陽県の港の整備が進む

塩城市斜陽県の港の整備が進む

農業開発にも力を入れている

農業開発にも力を入れている

現在進行中の農業開発区プロジェクト

現在進行中の農業開発区プロジェクト