2014-07-11 「2014年北京国際旅遊博覧会(BITE)」に新潟市・佐渡市が共同出展

「2014年北京国際旅遊博覧会(BITE)」が6月27日から29日までの3日間、北京市内で開催された。今回の博覧会は81の国と地域、27の省市自治区から985社ものブースが並んだ。昨年同様、新潟市・佐渡市も旅行エージェントに対して売り込みを行い、かつ最新の観光情報を得るためにJNTO(日本政府観光局)のジャパンパビリオン内にブース出展した。北京の訪日旅行マーケットはまだまだ成熟しているとは言えず、大阪、京都、東京などを巡るゴールデンルートが目的地として不動の地位を得ている。また、九州、沖縄、北海道旅行も人気がある。新潟・佐渡の知名度はまだ高くはないが、2度3度と日本に行ったことのあるリピーターと話をすると、「米の産地ですね」、「友人が佐渡にいるので行ってみたい」などの返事が返ってきて、北京でも新潟・佐渡に興味を持つ層はいるのだと感じた。
日本と中国の関係は大きく好転したとは言えないが、中国人訪日客数は伸びており、今年は過去最高の200万人に達する可能性もあるという。
北京に住んでみて、中国人は日本について大変興味を持っていると感じる。2012年の国際交流基金の調査では、全世界で約400万人の日本語学習者がいる中で、100万人以上は中国人である。さらに中国人の日本語学習者は前回調査をした2009年と比べるとなんと26.5%増加している。多くの中国人は日本の環境のよさや歴史、ショッピング、温泉、自然などに大きく関心を示し、かつ地理的に近いということからも訪日旅行に魅力を感じている。そこに元高による訪日旅行の割安感や日本の政府・民間企業の積極的な誘致活動もあり中国人訪日客数は今後ますます増加が予想される。
日本政府は2020年までに訪日外客数を2000万人に増やすという目標を掲げており、査証の発給要件の緩和や積極的な海外へのPRなどで順調に訪日外客数を伸ばしている。一方で首都圏のホテルの部屋数やバスの数は増加する外国人客に対応できておらず、その供給が追い付かない部分の宿泊を吸収する意味でも、東京+1の目的地として新潟への外国人客誘致が一つの課題となる。
またマーケットが成熟してくると多様な目的別の旅行ニーズが生まれてくるため、これに対応していくことも必要となってくる。例えば北海道のスキーリゾートでは、中国のスキー場と提携を結び相互交流を行うことで、長期的な視点に立って中国人スキー愛好家の誘致を目指している。
別の例を挙げると、北京市では水需要の増加に供給が追い付かず、1998年以降、市内の地下水位が12.8m下降している。このような水需要と供給能力のギャップを緩和するため、北京市は今年5月からゴルフ場などで使用する水を特殊工業用水に指定した。このことにより、これまで1㎥4元だった水道料金が1㎥160元になり、ゴルフ場で使用する水道料金は従前の40倍に跳ね上がる計算となる。6月の羊城晩報の記事には、今回の水道料金の増額により今後北京市内でのゴルフのプレー料金が平均で1ラウンド3000元(現在のレートで約49,000円)になるのではという予測が掲載された。今現在はそのような極端な値上げは行われていないが、今後のゴルフのプレー料金の推移如何では、将来的には中国でゴルフ+温泉という海外旅行需要が大きくなるかもしれない。
日本の各自治体や企業の様々な外客誘致に対するアプローチがここ中国でも行われており、今後も北京から新潟に当地の情報を発信していきたいと思う。   (畑)

新潟市・佐渡市ブース

新潟市・佐渡市ブース

BITE期間中の記者会見の様子左から、 北京事務所霍職員、新潟観光コンベンション協会笠原部長、司会者

BITE期間中の記者会見の様子左から、 北京事務所霍職員、新潟観光コンベンション協会笠原部長、司会者