2012-11-26 第6回 中国国際福祉博覧会 開催

11月15日~17日、北京の国際展覧センターで第6回中国国際福祉博覧会が開催され、2日目の16日、会場へ視察に行ってきました。この福祉博覧会は中国の急速な高齢化と介護・福祉用品の需要の高まりを背景に、また2008年の北京パラリンピック開催を契機に、障害者への敬意を理念とした福祉用品を展示する博覧会となっています。主催は中国障害者連合会と全国老齢工作委員会事務室です。2007年第一回目の来場者数は約6万人、そして第6回にあたる今回は約10万人もの来場者があったとのこと。また、出展企業の約半数は海外からの出展となっており、今年も、中国・香港・台湾・カナダ・日本・韓国・ドイツ・ベルギー・ニュージーランド・デンマーク・スウェーデン・スイス・オーストリア・イタリア・豪州・英国・米国といった16ヶ国・地域の企業が参加しました。日本からは40の企業が出展し、企業自らが直接出展した以外に、JETROが出展するジャパンパビリオンには11の企業・団体が参加していました。
福祉博覧会を視察したのは今回が初めてでしたが、場内は予想以上に多くの人で賑わっていました。各企業の展示品は介護食やユニバーサルデザイン食器といった比較的小さな生活用品から、車椅子、介護用ベッドといった大きなもの、車椅子で直接乗り降りできる乗用車など、幅広く展示されていました。また、ユニバーサルデザインを取り入れた浴室やトイレ、寝室といった内装そのものを展示しているブースもありました。会場はバイヤー以外にも一般市民も入場することができるため、障害者や高齢者などの多くの市民も訪れ、中にはブースで車椅子に試乗し、その場ですぐに予約・購入している姿が見られました。

 博覧会入口博覧会入口

JETROのジャパンパビリオン

JETROのジャパンパビリオン

中国はまだ経済的に発展途上であるにもかかわらず、急速に少子高齢化が進んでおり、2010年に実施された国勢調査によると、2000~2010年の10年間、中国の人口増加率は年間平均0.57%で前10年間の1.07%を大きく下回っており、明ら

かに人口増加の速度が緩まっています。そしてそれと同時に人口構造も大きく変化し、2010年60歳以上の高齢者の人口が1億7800万人に達し、総人口に占める割合が1982年の7.62%から13.26%に増加している一方で、0~14歳の子供が総人口に占める割合は33.59%から16.60%に減少しています。これらは、中国が少子高齢化社会に突入していることを示しており、今後、65歳以上の高齢者の割合は2027年に15%、2035年には20%をそれぞれ突破し、2050年には25%を超えると予測されています。こういった現象を受け、中国では「未富先老(豊かになる前に老いてしまう)」という言葉をよく耳にします。つまり、経済発展が急速に進んでいるとはいえ、中国全体が十分豊かになる前に高齢化が進み、国力を左右する労働人口が減少してしまうということです。そして、現実として急速に少子高齢化が進む中、介護保険・社会保障面の法律や制度の整備が現状に追いついてなく、また介護施設や老人ホームといった施設も需要に対して供給が不十分で、実際には多くの高齢者が自宅で晩年を送るしかないとのこと。また、展示会の視察に来たある新潟市内企業の方の話によると、中国では病院に隣接した形で介護・福祉用品等を扱う店舗があるが、内装も簡素で品揃えも中国製の安価なものが多く、日本の品質の良い高性能な商品はほとんど見られないそうです。
このように高齢化が進む一方でそれらに対応したサービスや施設、商品がまだ不十分である中国に対し国内外の多くの企業が着目し、ビジネスチャンスととらえ、この広大な福祉・介護マーケットに参入しようとしているわけです。日本は中国より先に少子高齢化を迎えており、介護や福祉に関する高品質なサービスや商品が供給可能であり、中国でもとりわけ富裕層の高齢者に向けたビジネスにチャンスがあるのではないでしょうか。(笠原)

車椅子に配慮した造りのキッチン

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高性能であるだけでなく,カラフルでスタイリッシュなデザイン性の高い車椅子

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