今,北京は春の訪れを待っている。3月8日,気温は22.2度に達し今年の最高気温を記録した。その後肌寒い日もあるが,行き交う人も着ているものがダウンのコートから薄いコートに変わってきた。
空が明るくなるのも早くなり,最近の日の出は6時半前後。
毎年この季節,ここ北京では全国人民代表大会(全人代)と中国政治協商会議の全体会議が開かれる。昨年秋の党大会で新しい指導層が発足し,今年の全人代はそれを受け政府や検察院などの人事を決める大切な会議だ。
今回の開催に当たり,一つの変化を見つけた。事務所が入居するビルの向かいに北京国際飯店が建つ。例年各地から集まる代表たちの指定宿泊先の一つになっていて,大会期間中の朝,ホテル駐車場から代表たちが乗る大型バスが次々と会場へ出発する風景を見ることができた。それが今年はない。
党大会終了後,「八項規定」が発表された。仕事のやり方を改め,人々と密接に連携する八項目の規定について,である。中身は,訪問調査に関して,基層末端への訪問調査は真相を深く理解し,経験を総括,問題を検討,困難を解決,仕事を指導し,群衆に学び,実践に学び,群衆と多く懇談し,幹部と多く腹を割って話し…と続く。その際は,接待を簡素化し,横断幕は飾らず,宴会を設けないなど質素倹約を説いている。
このようなことがあり,今年5つ星の北京国際飯店は代表たちの宿泊先から除外されたようだ。今までも似たような呼びかけはされてきたが,なかなか断ち切れないでいた。これからは違うかもしれない。旧正月の春節前,北京で高級レストランやホテルでの会食が減り,売り上げに影響したという。
新聞などを見ると,人々はこの新しい規定を歓迎し,実際どう変わるのか注目しているようだ。(近藤)