実質的経済発展を目指し、今もなお成長を続ける中国経済にとって深刻な課題の一つが、その支えとなる高級技術者(ハイレベルな技術労働者)が絶対的に不足していることだ。世界の工業強国は全てエンジニア大国・技術者大国であり、産業全体の技術者グループのうち高級技術者の占める割合が高い。ちなみに、ドイツが約50%、日本が約40%に対し、中国はわずか約5%に過ぎず、中国全土で不足している高級技術労働者は約1,000万人とも言われている。現在中国が政策的に進めている製造大国から製造強国への移行を、ひどく遅らせる要因となってしまうかもしれない。