「身近」になったコンシューマー・ドローン

最近、Bilibili(リアルタイムコメント機能(中国語だと「弾幕」)が特徴的なショートムービー・プラットフォーム)などで旅行動画を視聴する機会が増えました。中でも、壮大な景色をダイナミックに捉えた空撮シーンには目を見張るものがあります。かつてはプロにしかできなかった壮大でダイナミックな映像表現が、スマートフォンサイズのドローンによって、誰でも可能になりました。特に美しい景色の記録や、自分自身を追尾させて撮影する「セルフィー空撮」は、SNS時代において非常に強力なコンテンツ生成ツールとなっています。こうした一般消費者向けの「コンシューマー・ドローン」についてご紹介いたします。コンシューマー・ドローンは驚異的なスピードで技術革新と普及が進み、「空飛ぶカメラ」として私たちの生活やビジネスに欠かせないツールへと進化を遂げました。

世界のコンシューマー向けドローン市場では、中国企業であるDJI(大疆創新科技)が圧倒的なシェアを占めています。この支配的な地位により、高性能でありながら価格競争力のある製品が中国国内市場に大量に供給されました。結果として、ドローンの購入価格の「敷居」は大きく下がっています。現在、高性能なエントリーモデルであれば、数万円台から購入可能です。バッテリーなどの消耗品のコストを含めても、趣味として十分手の届く価格帯にあることが、さらなる普及を後押ししています。

初期モデルのドローンは大型で持ち運びに苦労しましたが、現在の主流は折りたたみ式であり、カバンに収まるほど小型軽量化へ進んでいます。

さらに、GPS(位置情報)やAI(人工知能)による自動飛行モードやスマートな追尾機能が進化し、複雑な操作技術を習得しなくても、プロ級の映像を簡単に撮影できるようになりました。その結果、ドローンは特別な専門機器ではなく、むしろ比較的手軽な「家電製品」や「高度なカメラアクセサリー」の一つとして広く認識され始めています。

利便性が高まる一方で、ドローンの利用には、「人混みの回避」や「規制空域外での飛行」、「低空飛行の制限」など、各国の法規制や運用上の制約が存在することも無視できません。ユーザーは、その利点をエンジョイするためにも、これらのルールを守ることが求められます。(ハン)

↑「Blibliで旅行vlog投稿した空撮画面の様子」