北京で漬物の老舗―六必居

お粥や豆乳、饅頭や中華揚げパン、一皿の漬物という組み合わせは北京風の朝食の定番です。漬物は一般的なおかずですが、北京人は昔からこれが大好きで、金持ちであろうとなかろうと、好んで食べます。飲食店では、漬物が1~2種類しか提供されませんが、一般家庭で食べられる漬物の種類はたくさんあります。

北京で漬物といえば、有名な漬物の老舗―六必居を知らない人はいないでしょう。

六必居は明の嘉靖9年(西暦1530年)に始まり、2024年まで494年の歴史があり、北京で最も歴史が長い味噌・漬物の専門店です。六必居自社製の漬物は厳選された原材料と優れた加工技術により、色が鮮やかで、味噌の風味が豊かで、シャキシャキと香ばしく、ほどよい塩気と甘みがあり、清の時代、宮廷御用の一品に選ばれました。

六必居の店に入ると、漬物の種類は数え切れないほどたくさんあります。缶詰めのものもありますが、量り売りの漬物の種類が特に多いです。キュウリ、ナス、大根、ニンニク、チョロギ、落花生、唐辛子、塊茎や千切りのルタバガなど様々な漬物が揃っています。その中に、キュウリ、レンコン、ササゲ、ナス、チョロギ、生姜、落花生、コールラビという八種類の野菜を混ぜて漬け込み、八種類の味をブレンドした「八宝菜」(日本で言う八宝菜ではなく漬物の名称です)は味がまろやかで、歯ごたえがあり、特においしいので、昔から北京人は大好きです。また、六必居には醤油、大豆味噌、甘味噌等自社製の調味料も売っています。(キク)